公開研究概要「実務判断の外部仕様化・資産化と汎用生成AIによる再実行に関する研究」を公開しました
FANDDFでは、新たな公開研究概要(Research Overview)として、
「実務判断の外部仕様化・資産化と汎用生成AIによる再実行に関する研究」
を公開しました。
本研究では、人間が実務の中で行っている判断を言語化・仕様化し、企業が再利用可能な「判断資産」として蓄積するとともに、その判断を汎用生成AIによって個別案件へ再実行する方法を研究しています。
FANDDFでは、創業以来、人間が一度行った判断を案件ごとに繰り返すのではなく、再利用可能な形で蓄積する方法を模索してきました。
2023年3月から生成AIを活用した方法の検討を進め、2024年5月にはペットフード商品設計領域で「フードデザイン」「エキスパートデザイン」として具体的な判断体系を構築しました。
現在では、商品設計のほか、生成AIを活用した知識・教材運用、契約関連業務など、異なる実務領域にも同じ考え方を展開しています。
判断を再利用することで、業務工数を大幅に削減
本研究の特徴は、単に生成AIに成果物を作らせることではありません。
従来、人間が案件ごとに行っていた、
「何を確認するか」
「何を基準に判断するか」
「どの条件なら採用するか」
「問題があればどこまで戻るか」
といった判断そのものを、再利用可能な仕様として整理します。
これにより、新しい案件が発生するたびに同じ判断工程を一から組み立て直す必要を減らすことができます。
ペットフード商品設計では、これまで100件を超える実案件で運用しています。
従来、1案件あたり約30~40時間を要していた商品設計業務は、現在では概ね約2.5時間以内で処理しており、工数では約92~94%の削減に相当します。
また、同じ考え方を適用している他の実務でも、Gemini Notebookを用いた教材・知識運用では従来約20時間から約1~2時間、契約書作成では約15~16時間から約3時間へと、処理工数の大幅な短縮が確認されています。
ただし、本研究は「AIだけですべてを自動処理すること」を目的としているものではありません。
AIには、すでに整理された判断基準に基づく反復処理を担わせ、最終的な妥当性の確認、新しい例外への対応、専門的な確認が必要な事項については、人間または専門家が判断します。
「判断カセット」という考え方
本研究では、人間が実務で用いている判断基準、処理条件、判断経路等を外部仕様として整理し、汎用生成AIで再利用可能にしたものを「判断カセット」と位置づけています。
判断カセットは、単なるプロンプトではありません。
実務上の問題について人間と生成AIが検討し、その判断過程を記録・整理したうえで、複数の判断履歴から共通する基準、条件、例外等を抽出し、再利用可能な仕様として体系化します。
その仕様を個別案件ごとに汎用生成AIへ適用することで、人間が毎回同じ判断工程を一から繰り返す必要を減らし、最終的な妥当性確認や新しい判断が必要な業務へ集中できる状態を目指しています。
つまり、効率化の中心にあるのは、単に「AIが速く文章や計算を処理すること」ではありません。
過去に人間が行った判断を一案件限りで終わらせず、次の案件でも再利用できる状態にすることが、大幅な工数削減につながっています。
FANDDFでは今後も、この方法について実務上の検証を重ねるとともに、商品設計以外の専門業務への適用可能性について研究を進めていきます。
研究の詳細は、以下よりご覧いただけます。
Research Overview Version 1.0(PDF)
FANDDFでは、実務の中で形成される判断を一案件限りで消費せず、企業が継続的に利用できる資産へ変換することを目指しています。
判断力を、企業の資産に。

